鋳造という技術はテクノロジーの発達した現在においてでも、非常に便利で優れた工法と 言えます。
金属の固体から製品を作り出すより、金属を溶解して流動性の高い液体とし 以前より格段に寸法精度を出せる砂型に流し込み製品をつくりあげる鋳物は製品を多量にしかもローコストで生産できるという利点があります。
3Dデータを活用した現在の鋳造技術は他の金属成型技術と比較しても依然としてかなりのアドバンテージを持っています。
型を使うというとタイ焼きのようなイメージを持つ方も多いでしょうが中子という小さな砂型を使用すれば開発者の欲するほとんどの形状が精密で複雑な形状でも製作することができます。
特に曲面の形状を製造する技術は他の加工法より格段に優れています。
工業製品に機能美を求めるなら鋳物はうってつけの素形材です。
また、手のひらに乗るような小さなものから、何トンという大きなものまで製作できます。
その製品の使用目的に合わせた材料の利用金属合金の選択の幅が広く、製品に必要な特性(アルミニウム合金では耐圧性、耐食性、じん性、引っ張り強さ、伸び、硬度など)を引き出すことも出来ます。
数量も1個から多量まで製作が可能です。
鋳造という工法を用いれば、今までいくつものパーツを組み立ててひとつの部品を完成させていたものを一体成形して生産できるというメリットもあります。
某国の軍用機の尾翼を鋳造で生産することによって、部品点数の減少によりコストの低減と軽量化につながった事例は有名なお話しです。
さて、上のアルミニウム製のオブジェの写真ですが、三角の枠のなかにサッカーボールが入っています。
どんな角度にしても枠からサッカーボールが出ることはありません。
画像ではわかりずらいのですが、枠は溶接で組み立てたものではありません。
すべて砂型鋳造で製作したものです。
鋳造というと大仏や仏像などを作る古来からの製造方法で現代の製造業においては古めかしい印象をお持ちになっている設計・調達・資材の皆様、現在の砂型鋳造はCAD/CAMとITによる電子情報化で高品質な製品を製作することが可能です。
そして今まで鋳造という手法を取り入れてこなかった設計・調達・資材の皆様ぜひともご自分の製品に鋳造という技術を活用してみてください。
弊社は上手い・速い・安いをモットーに皆様のお手伝いができることを心から待ち望んでいます。